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ゆいレールとは
ここのところ沖縄の地元ローカル新聞紙上を騒がせている?ゆいレール。
電車のない県「沖縄」ではありますが平成15年8月に開通し、那覇空港~首里を結ぶ12.9Km間の沖縄県民の足として活躍しています。
正式な運営会社は「沖縄都市モノレール株式会社」といいます。
株主は、沖縄県、那覇市、沖縄振興開発金融公庫、浦添市、沖縄電力株式会社、琉球銀行、沖縄銀行が主な株主。
2015年以降、利用者数が順調に増加しており、2016年度以降は最終損益が黒字と、現在は安定した経営となっています。
2018年度乗客数は1905万7176人で、7年連続で過去最多を更新してさらに伸び続ける可能性があります。
決算状況は、売上高に当たる営業収益は前年度比6%増の40億8500万円で、経常利益は31.6%増の6億6100万円となり増収増益。
ダイヤ改正や観光客の利用増などが増収の要因。当期純利益は14.5%増の5億6100万円だったと発表されています。
2020年に那覇空港第2滑走路の利用開始も予定されることから、今後利用客の大幅な増加が予想されています。
ゆいレール延長
新聞紙上では、延長が延長になったというニュースが流れていました。
当初の予定では開業予定は2019年春とされていましたが、その後工事に遅れが出て、2019年の「早くて夏頃」に修正され、先日5月24日に「10月1日開業」と正式発表されました。
新設駅は「石嶺駅」「経塚駅」「浦添前田駅」終着駅の「てだこ浦西」の4駅で、延伸部は4.1Kmとなり、那覇空港駅からてだこ浦西駅までの19駅、約17キロが一本に結ばれ、所要時間は38分。
住民にとってはかなり使い勝手の良い交通機関となります。
現在もまだ工事を行っており首里~てだこ浦西までは現在工事中です。
てだこ浦西駅は沖縄自動車道と接道し、パーク&ライド(車からモノレールへの乗り換え)機能を備えるため、ゆいレールへ自動車から乗り換えて利用する利用客の増加が見込まれます。
ゆいレール3両編成
開通が10月1日に決まって、一安心したら次なる話題は「ゆいレール3両化」の早期実現。
え?ゆいレールって1両?2両という声が聞こえてきそうですが、現在は2両編成です。
ゆいレールの定員は、85名。2両だと、最大190名が乗車定員となります。
多いか少ないか・・・
そんなこと気にしてないので3両編成なんて案が出るのではないでしょうか?
3両編成にする予算が、200億~290億円。
いつまでに3両編成にするのかはこれから決まるのだろうけど、今から90億円の予算の幅は一体どこからくるのでしょうか?
同じ車両で2両を3両にしたところで、最大定員は255人。
ちなみに、山手線のE231系の場合、先頭車143人、中間車162人。朝のラッシュ時は乗車率が200%になるので1両で頭車286人、中間車324人は乗っているといわれています。
じゃあ、山手線1両でもいいんじゃない?と思ってしまいますよね。
ゆいレールの時刻表を見る限り、6~12分間隔で次の車両が来ますので、沖縄では200%は絶対にありえないと思いますが、朝夕の通勤ラッシュ時は今でも120%を超えていますし、イベント開催などが重なると170%なんて日もあるみたいです。
山手線は、次の電車が見えているのに、「まだ乗るか?」と危険を感じるほど人が乗るので、ゆいレールと比べるのはナンセンスだと思いますが
300億円かけて、3両編成にするならいっそのこと500億円かけて5両編成にして、最大425名とか6両編成にして500人にしたほうが利用率はもっと増えるのではないでしょうか?
お金をかけての大事業ですから、「近い将来必ず足りなくなる」という希望的な予測を立てて大きな予算をかけるという判断をしなければ
また数年のうちにもっと大きな予算をかけることになるなってしまいますよね。
ともすると、海外からくる観光客に「不便」というレッテルを張られてしまうことになりかねない!となんて思う議員はいないのでしょうかね?
道路にかける予算と線路にかける予算
この一大事業を推し進めている、「沖縄都市モノレール株式会社」が思い切った開発に進めないのには2019年3月現在で債務超過が約27億円あり、累積赤字が127億円あることにあるということです。
この金額が足かせになって血液の流れを止めるのはいかがなものかと思っている県民のみなさんも多いのではないでしょうか?
ちなみに、国道329号線の西原町小那覇から中城村津覇までの渋滞緩和を目的にすすめている道路工事計画の予算は西原町の東崎公園付近から約3.7kmで事業費約120億円。
渋滞緩和のためのバイパスを作る工事は、たしかに渋滞緩和にはいい結果をもたらすに違いないが、未来の沖縄に残すものが何かをよく考えるべきではないでしょうか?
予算の出どころは違うと思いますが、所詮県民、市民の税金であることには変わりはないと思います。
道路よりゆいレールの増強に予算をかけるという選択肢はないものでしょうかね~
ゆいレール新駅周辺不動産高騰
新設駅の4つの駅界隈は特に目立った観光施設というものは有りません。
強いてあげるならば経塚駅近くにはサンエー経塚シティー(ショッピング施設)、浦添前田駅近くには浦添市役所、浦添市てだこホール、浦添市美術館等があり、文化施設や行政施設へのアクセス駅として機能します。終点の「てだこ浦西駅」は沖縄自動車道の目の前にある駅で、パーク&ライド機能が用意されることから、モノレールと自動車の中継地点として利用されそうです。
また、高速バスのターミナルも併設します。
「てだこ浦西駅開発」で検索してみると「てだこ浦西駅開発」市説明会に51社参加( 2015年5月16日)という記事を見つけることができました。
2015年 4年前にはもう説明会を開催して、開発予算を組んで工事が始まっていますが、周辺整備はどんどん進んできています。
これまでの浦西地区は主要幹線道路もなく、不動産業者からは「陸の孤島」と呼ばれていた地域。
しかし、モノレールてだこ浦西駅の整備が決まると、駅周辺でマンションの建設計画が次々と持ち上がりました。
中にはマンション着工前に完売し、宅地分譲に向けた営業開始から3か月で完売など、多くの不動産が短期で取引されています。中にはキャンセル待ちの物件もあり過熱感も感じられます。
(上記写真はインターネットで「てだこ浦西駅分譲マンション」というキーワードで検索して出てきたものです。)
不動産業者の中には、着々と開発が進む一方、地価の高騰が事業計画の足かせになっている場所もあり、当初の構想が崩れるケースも出てきている話もあるとのこと。
つまり、予定していた分譲価格で販売すると採算が取れない可能性も出てきているといいます。
いずれにしても交通網が整備されることで環境が良くなり、便利になり、住みやすくなれば価値は上昇するものです。
さらに、街がブランディング化され新たな開発を呼び、そこに住む人が増え、活発化され、人気が人気を呼び・・・。
浦西地区では地価が倍以上になっている場所もあり、坪単価60万円の値段がついている場所もあります。
賃貸物件に詳しい不動産部に聞いてみると「3LDKなどの需要は高い物件が少ない状況。2LDKの物件はちょっと多め。ほとんどが駐車場付きで2台付は少ない。
家賃相場は「ワンルームや1Kはまだまだ月3万~4万円。1LDK・2LDKの間取りで15~16坪の広さだと5万~6万円。
3LDKは6万円以上が当たり前で。少し広くなると8~10万円台の物件も出てきている」ということです。
まだまだ、開発できる余地はありますし、再開発できる集落も点在しています。
現在は、「車文化」「車社会」の沖縄ですが、これからは「ゆいレール通勤」「ゆいレール通学」する人たちもどんどん増えてきています。
もうすぐ運行開始となる新たな「ゆいレール」。しばらくの間、ベットタウン浦西地区を静観してみたいと思います。
その発展する速度や方向で、次なる巨大ビジネス「沖縄南北鉄道」の行方が見えてくるかもしれないですね!